モダンガール、エアガール…昭和の「尖端ガール」たち

昭和初期のモダンガール、エアガール、エレベーターガール、ガソリンガール、オフィスガール、バスガール 歴史探偵千夜一夜
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ストリートガール

これは売春婦、特に街角で客寄せをする街娼の洒落た言い方です。

昭和戦前のストリートガール

『モダン新語辞典』(1931年編)にも新語として記載されています。

エキストラガール

「エキストラ」はその他大勢という演劇用語でもあるので、これもそれに関連するかと想像するでしょう。
実は、全く違います。
男がどこそこへ行きたいと言えば黙って同伴。それがカフェーでも連れ込みホテル。でも砂風呂(脚注:名目上は風呂場ながら実際は売春を行う場所。東京に多かった。))でも、どこへでも行く女のこと。
要は「尻軽女」「淫乱女」、ストレートに言ってしまえば◯ッチのことです。

 スピーキングガール

戦前には、「カフヱー」と呼ばれる飲食店がありました。カフヱーと言っても喫茶店ではなく、洋食やアルコールも出すレストランの一種で、女給さんと呼ばれる女性従業員が客の横につき、話し相手になってくれました。

そんなカフェーの女給さんですが、大学生などインテリ男性の話し相手としては役不足。なにせ彼女らは小学校をかろうじて卒業できた、自分の姓名を漢字で書けるかビミョー(たぶん無理)な学歴が多かったから。

女の子と気軽にトークしたいけど、知的レベルが違いすぎる…そんな欲求不満の男性のお相手をするのが、スピーキングガールです。
内容は、インテリ男性と文学や哲学、政治や社会情勢についての話し相手になるだけ。
当時の解説本には

これは職業婦人と言えるのだろうか…

と?マークをつけていますが、女学生のバイトとしてはピッタリだったそうです。

 ステッキガール

上述の「ストリートガール」の亜種で、銀座の大通りを歩く独身っぽい男性に、

どう?私と一緒に歩かないこと?新橋まで50銭でいいわ

と色っぽい声で男性の横につく女性のことです。
歩くだけでなく、

ねえ、そこの宿までどう?2円でいいわよ

と男を誘惑、ホテルに誘っていました。その姿が男性の持つステッキのようだということで、「ステッキガール」と呼ばれました。

ただし!
この「ステッキガール」、実際に見た者は誰もおらず、「口裂け女」のような都市伝説だったそうです。おそらく、雑誌か新聞のデタラメ記事に尾ひれがついたものなのでしょう。
しかし、当時の人はほぼ信じ、「ステッキガール」に会えるかなと銀ブラを繰り返す紳士諸君が多かったそうな。

円タクガール

「円タク」とは、あるエリア内なら1円均一で走るタクシーのことで、東京や大阪など都市部に走っていました。

タクシーの運ちゃんが売春の仲介役となるのは、ほぼ世界共通。「円タクガール」はポン引き役の運ちゃんとグルになり、男性客を誘惑する女性だそうです。
客がタクシーに乗ると、助手席にはなぜか妖麗な女性が。
女性は後ろを振り向き、

あらお久しぶり、あたしのことお忘れになって?


とウインクし、

このままホテルへいかが?○円でいいわよ


などと猫なで声でささやく。こんな感じだそうな。

しかし!
実は、これも都市伝説。当時のエロ評論家は、三流作家の妄想小説と切り捨てています。

マルクスガール

1920年代は「左」が一世を風靡した時代でした。学生・インテリの間では「左にあらざる者、人にあらず」的な大流行。小林多喜二などの「プロレタリア文学」も大流行りとなりました。

そんな社会主義思想にかぶれ、理屈だけは一人前の学生を多少侮蔑した、「マルクスボーイ」「エンゲルスボーイ」という言葉がありました。

「マルクスガール」はその女性版で、またの名を「エンゲルスガール」。ロイド眼鏡をかけ社会主義の本を片手に持ち、常人にはわからない理屈をペラペラとしゃべる左翼かぶれインテリ女性を揶揄したものです。

戦前のマルクスガール

戦前の某新聞に「マルクスガール」として紹介されていた写真です。画質が不鮮明で明確ではありませんが、小脇に本のようなものを抱えています。それが社会主義の本なのでしょう。

木偶坊伯西
木偶坊伯西

オフィスで働く女性、すなわち「オフィス・ガール」
戦後それが「OLになった意外な理由とは!?

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