天満屋ビルにあるレストラン「ハハハ」
話を天満屋ビルに戻します。この古ぼけた古風な建物の中に、小洒落たレストランがあります。
その名はハaハaハa
………
誤入力ではありません。本当にそんな名前なのです(笑)
本名は上のように「ハaハaハa」なのですが、以後「ハハハ」と記述します。
昭和史や近代建築の視覚を使って味わったあとは、味覚嗅覚で昭和のモダン建築を堪能できる。この上ない贅沢です。
天満屋ビルの中に入ってみると、こんなものが入口に鎮座しておられます。
いつの時代のレジスターやら。天満屋ビルで使われていたものではないと思いますが、ビルのレトロ感を出すための演出なのでしょう。
ハaハaハaの入口です。天満屋ビルの元のドアをそのまま使っているのか、年季の入った木製のドアが、奥に何があるのだろうかというワクワク感を増大させます。これで中がめちゃモダンやったら、えらい興ざめなんやけど(笑
しかし大丈夫、飲食店風に多少リフォームはされていますが、元の姿をできるだけ残そうという努力が見える、最低限の程度にとどめています。
ここの名物は、
「卵たっぷりオムハヤシ」
「ハヤシライス」
の二大看板とのこと。ここまでは何のことはない。しかし、名前が
「オムハハハヤシライス」
「ハハハヤシライス」
と、なんともふざけ…ではなく、店名からリンクするユーモラスな名前。一度聞いたら二度と忘れないか、全く覚えられないかのどちらかでしょう。
もちろん、注文する時はふつうに「オムハヤシ」「ハヤシライス」でOKです。
ハヤシライスという気分ではなかったので、オムハヤシライスを注文してみました。
食事待ちの間に店内を少し見渡してみたのですが、
なんだかレトロな扇風機が!
前にあったレゴ(?)の新郎新婦人形と、「ハハハ」と書かれたワイン(?)は視界に入らず、目は扇風機一点集中でした。
「ナショナル」と書かれているので松下電器(パナソニック)製なことは確かですが、いつ作られたのかプレートを覗いてみると、1948年(昭和23)と書かれていました。戦前製ではなかったものの、昭和23年と言えばGHQによって公職追放になった松下幸之助が社長に復帰して間もない頃のはず。日本中が廃墟になったものの、これから頑張るぞ!と心機一転の気持ちで臨んだ頃の作品ということですな。
個人的にイイネ!をつけたいものがこれ。
ビルの角の部分が半テラスのようになっており、天気が良い日は広い窓と共に日差しがたっぷり入ってきます。
もう一つ気づいたのは、天井がかなり高いということ。天井が低いと圧迫感があるのですが、ハaハaハaの店内がやけに広々と感じる理由がこれなのかもしれません。
天満屋ビルはそもそも飲食店ではなくオフィスビルだったのですが、当時このオフィスで働いていた人たちは、モダンなビルで働いているんだぞと胸を張ったことでしょう。昭和初期としては相当贅沢なつくりでした。
とかなんとか店内をウロウロしていると、今回のメインディッシュがやってきました。
オムハハハヤシライス(¥850)です。
名前の割にはごく普通のオムライスなのですが、デミグラスソースが濃い目で美味であります。タマゴもふんわりとして美味なのですが、私はソースの方にピンときました。
ソースが濃いめなだけに、出て来るレモン水(レモネード)がスッキリ風味でちょうどいい塩梅なのです。量的には、腹を空かせた大人の男性にはちょっと物足りないかもしれませんが、女性ならこれで十分な量なはず。
食後はアイスミルクティーを一杯。
いつもなら食後の締めはコーヒーだったのですが、最近紅茶派にチェンジ致しました。
家ではストレートティーしか飲まないものの、いつかはこういう店で飲むようなミルクティーを、家で飲めるようになりたいと考えております。やっぱミルクティーはいい。
この「ハaハaハa」、ある界隈で有名になったことがあるそうです。
昨今のコロナでここもテイクアウト&ドライブスルーを始めたそうなのですが、その方法が!
車に乗ったまま店の前で待機していると、カゴが2階からスルスルと下りてきて、お金を入れるとカゴに入った品物が2階から下りてくるというもの。超アナログドライブスルーが逆にウケたか、インスタで客がアップした動画がバズり、「空飛ぶドライブスルー」と評判になったそうです。何が「空飛ぶ」なのかは全くわからんのですが。
レトロを基調にしたおしゃれなお店なのと食事の量から、女性をターゲットにしたお店かもしれません。ケーキなどの軽食もあるので、どっちかというと女性どうしか男女のデート向けの店かなと感じました。私は食べていませんが、ネットの評判によるとケーキがかなり美味だとか。やっぱり女性向けやな。
しかし!
男性諸君もこういう店をストックしておくと、意中の女性とデートする時のデートスポットして有効。
まあ、おしゃれなお店知ってるのね♥
と相手へのアピールポイントとなりますね。
海遊館などの観光地からすぐ近く、徒歩で十分行ける距離であります。海遊館などで遊んだ後の食事やお茶に如何でしょう。
近代建築の記事はこちらもどうぞ!
コメント
いつも楽しく拝見しております。
港区築港に住んでいるのですが、築港の交差点(大阪メトロ大阪港駅)の4番出口を降りるとファミマがあって、東隣に萬集楼という中華料理店があります。
戦後に今の築港に越してこられたようですが、
初代は山東省出身とのこと。
川口旧居留地に山東省からの人々が来られたのが1895年~1899年の貴兄の以前の記事で拝読しております。
川口に華商が多くいた時代を知っているお店なのかも知れません。
お店HPには、はっきり山東省料理と書かれています。
(味は四川ぽいのが多いですが)
義和団事件の直前ですね。帝政ドイツの入植に鬱憤のあった時代でしょうか。
長文、失礼しました。
>た~ちんさん
はじめまして、いつも拙ブログをお読みいただきありがとうございます。
「中華」ではなく「山東」と書いてあるのは珍しいですね。港区なので西区の川口との絡みはわかりませんが、もしかして川口華商の子孫かもしれないですね。