日本語は何故、どこが難しいのかー外国人から見る日本語のムズカシイ

日本語難しい外国人 ブログエッセイ
スポンサーリンク

国が変われば状況も変わる

ただし、以上のことはあくまでアメリカなど「英語をネイティブとした人たち」からの目線です。ヨーロッパの言語ネイティブ目線と言い換えてもいいでしょう。

しかし、所変われば目線も変わる。我々が欧米の言語を勉強しようとしても、様々な壁にぶつかります。
英語以外の欧州の言語を勉強すると、必ずぶつかる関門があります。それが名詞の「性」。名詞に「男性」「女性」があるのですが、「太陽」は男性、でも「月」は女性。
さらに、欧州の言語の古い体型を残しているドイツ語やロシア語(他スラブ系言語)になると、プラス「中性名詞」がある。オカマ名詞かい!と出会った当初は思ったものです。

この名詞の「性」、ヨーロッパから遠く離れた「ナマステ」でお馴染みのインドのヒンディー語にすらあるのですが1、英語にはありません。いや、正しく言えば1000年前にはありました。15世紀にはなくなってしまっていたのですが、何故なくなったのか、英語の歴史上最大級の謎です。

名詞になんで男性、女性があるねんと、こちらはキレてしまいそうですが、欧米人目線から見ると、なんで日本語には名詞の「性」がないねんとキレてしまいます。

欧米人が頭を抱える漢字も、中国人や台湾人など、中華圏の人にとっては楽勝の域です。逆に中国語の学習でも、留学生の授業科目には当然の如く「漢字の書き取り」があるのですが、この科目は世界で唯一、日本人だけ完全免除です。
私も一度、

あんた(ら日本人)は出なくていい!

という老師の制止を振り切って(?)、怖いもの見たさに出てみたことがあります。が、我々が小学校でやった漢字ドリルのような授業に、なんだつまんないと退席してしまいました。だから言わんこっちゃないと、後で老師に笑われましたが。

さらに、現代中国語の語彙の多くは日本語の熟語を輸入(カンニングですが、言語って盗った盗られたではない)したものが非常に多いので共通のものも多い。なので、中国や台湾の政府が同じ言語カテゴリーを作れば、日本語の難易度は低くなるはず。

日本人にとって、いちばん習得が楽な言語が何かと聞かれれば、まちがいなく韓国語でしょう。
まずは基本文法が同じなので、文法の勉強に費やすエネルギーが最小限で済む。次に、あの○とか□とか△…あ、三角はないか、が並んでいるハングルもコツさえわかれば1日で覚えられます。

韓国の事情は興味が無いのでわかりませんが、中国に住んでいる朝鮮族は、学校での外国語は英語の他に日本語も選択できるとのこと2
中国で仕事していた時の朝鮮族の部下いわく、9割は日本語取るんじゃないですかね~と言っており、

みんなけっこう日本語わかりますよ。朝鮮人が多いところでエロ話と下ネタを言っちゃダメですよwww

とニヤリと笑っていました。
おそらく韓国人も事情は似たようなものでしょう。

 

日本語は難しいだけではない

ここまでは日本語の「難しい」ところを取り上げてきましたが、逆に他の言語と較べて簡単なところはどこなのか。

日本語を多角的に習得した外国人が口を揃えて答えるのは「発音」。日本語は舌を丸める、反らすなどの動作が少なく、口先だけで発音できる言語です。

また、文法もそれほど難しい部類でもありません。五段活用や下二段活用など用語を取れば難しい、いや難しそうに聞こえる文の構造も、不規則活用がほとんどなく「例外」を覚えなくても良い利点があります。

西洋の言語にも、動詞の変化などいろいろな規則・法則があるのですが、「◎◎はこういう規則である。ただし、例外もある」の例外の多さは、言語によって様々です。特に英語はその割合が多く、動詞の変化はむしろ不規則な方が多いほど。
逆に、文法がめちゃくちゃ難しいと言われるロシア語は、9割の動詞が規則変化らしいので、英語のように「不規則変化めちゃ多いっちゅーねん!」という苦悶がまずありません、動詞に関してはね。

日本語の動詞の不規則活用は、はっきりとした数が忘れてしまいましたが、確か5個もないそうな。ただし、上に挙げた難しい点のコンボになると、やはり超ムズカシイの次元になるようです。

戦前に外務省嘱託として戦時中にも(1942年まで)日本に滞在したジョン・モリスは、日本語習得の難しさについて、

「エベレスト登頂をなしとげるほど困難」

と述べています。彼はエベレスト登頂を2度果たした人でもあるのですが、その経験をベースにして日本語を習得することエベレストの如しと。

「日本語は難しい」と言っても、目線を変えればまた難易度も違ってくる。

「外国語を一つ学ぶということは、違う目線で見るもう一つの目を養うことだ」

とは誰が言ったのかわかりませんが、外国語学習者の間で長く言い伝えられている言葉です3。この目線の切り替えスイッチを新設、または増設するのも、また外国語の勉強の一つ、いや外国語学習のゴールなのです。

  1. 欧州とインドのヒンディー語は親戚。インドの山奥に「カシミール語」という言語がありますが、「インドのドイツ語」と言われているほど文法がドイツ語に似ている。
  2. 小学校4年生からの選択。ちなみに漢民族は英語一択だそう。
  3. この言葉の出典、ゲーテだとずっと思っていたのですが、違うみたいです。

コメント

  1. しばいぬひなこ より:

    日本語は~の記事、とても面白かったです。
    国によって言語の難しさの基準が違うのですね
    特に音読みの種類の違いについては、長年漠然と抱いていた霧が晴れいくようでした。

    ブログ主を知ったのは、twitterがきっかけです。
    古い建物を見るのが好きで、偶然お見かけして以来、投稿を楽しみにしております。
    歴史的建築物と言われるものには、必ずしも良い意味ばかりではないと知り、驚きました。

    女性として遊郭を見ると、どうしても哀しい歴史に思いを巡らせてしまいます。
    その時代に生まれていたら、自分もこの中にいたかもしれない…と。
    この中にいたとしたら、それでもこの建物を美しいと思えただろうか…と。

    歴史を振り返ると、その時代の常識ってある意味で怖いと思いました。

タイトルとURLをコピーしました