均一店、何が売られていたのか
ところで、戦前の均一店には何が売られていたのでしょうか。
昭和10年11月27日付『東京日日新聞』には、「アメリカのウルウォースの5000種には叶わないが」としながらも、「三千種の商品を取扱い」とあります。
ダイソーの取り扱い商品数が70,000点、セリアが同20,000点なのに比べると3,000点は10分の1、大した数字ではありません。が、戦前で3,000点はなかなか多い方だったと思います。
上記記事には、当時の均一店の売れ筋商品が書かれています。
2.靴下、パンツなど洋物下着
3.石けん、歯磨き粉、歯ブラシなど日用雑貨
現在の100均はどうかわかりませんが、売れ筋はそんなに変わっていないのではないかと思います。
また、
こんな商品開発したんやけど、店に置かせてもらわれへんやろか?
という売り込みが均一店事業部に殺到したり、10銭20銭という縛りの中での商品開発はなかなか苦労が多かったそうです。
(『十銭均一店と其の仕入研究』より)
均一店の繁盛と共に、均一店用商品を取り扱う業者も現れました。日用雑貨から足袋・靴下、文具などさまざまな問屋の広告が資料には掲載されています。原価はだいたい5銭~7銭だったようで、かなりの薄利多売だったようです。
本邦初公開!?当時の店トップ5
資料には、昭和10年(1935)の全国店舗のうち、成績(売上)と利益率が良い店トップ5を明らかにしています。それによると以下の通り。
売上トップ5
1.南海店(難波駅)
:単独店舗ではないものの、1階をまるまる均一店コーナーに。売上全体の約11%を占める
南海店の店内の様子。食器などの陶器類売り場です。
(『高島屋135年史』より)
2.渋谷駅前店
:文字通り渋谷駅前にあり関東方面の旗艦店。売上占有率約5%
3.奈良駅店
:大軌奈良駅(現近鉄奈良駅)前
4.神戸新開地店
(『高島屋135年史』より)
5.京都四条河原町店
利益率
1.南海店
2.渋谷駅前店
(『高島屋135年史』より)
3.蒲田店(東京)
:売上は第7位
4.足利店(栃木県)
:売上は11位
5.武蔵小山店(東京)
:売上第10位