大阪難読地名の奇妙な世界
大阪には、
こんなんどう読んだらそんな読み方すんねん!
という、いわゆる「難読地名」がいたるところに存在しています。
関西以外では、アイヌ語の当て字の北海道などはさておき、難読地名は例外的に存在するのみ、その都度覚えていけばいいと思います。が、大阪は読めないと日常生活に支障をきたすほどそこら中にあり、それこそ「掃いて捨てるほど」という言葉にふさわしい。
ところで、非関西人からのこんな質問をよく目にします。
大阪に引っ越したら、大阪弁しゃべらなあかんの?
答えは単純明快、そんなことはありません。
大阪人は自分の方言を大切にする分、相手の方言も尊重します。だから標準語でも九州弁でも全く問題ありません。むしろ各地の方言でしゃべった方が、こいつ地元を大切にしとると高評価。
経験上、関東(ガチの江戸っ子は除く)の
標準語しゃべれよ(=方言しゃべんな)
圧の方が絶対に強い。そしてうわべはそんなことありませんと装っているので、余計に質が悪い。
中途半端な大阪弁をしゃべってひんしゅくを買うより、そこら中にある難読地名の読み方を覚えることと、相手がボケたらすかさずツッコミを入れる反射神経を鍛える(←これめちゃ重要)方が先決と私は言っています。
今回は、そんな中でも厳選した「大阪府内の難読地名」をご賞味いただきたく。漢字ゲームや日本地理の上級編と思ってお楽しみ下さい。
レベルⅠ:難易度★
まずは難読地名のラジオ体操。この程度は正解率100%でないと、
自分、めちゃアホやんww
と小学生に嗤いながら指をさされても文句は言えません。それ以前に、電車やバスに乗れないくらい日常生活に支障を来します。
①四條畷(四條畷市)
大阪人にとっちゃ楽勝やけど、読めそうで読めない。
しかし!
これが読めたらすぐ読めます(笑)
②放出(大阪市鶴見区)
難読ランク自体はかなり高めなものの、有名すぎてクイズのネタにならん。けど載せる(笑)
③百舌鳥(堺市北区)
世界遺産になった仁徳天皇陵があるところね。漢字よりよみがなの方が短いことで有名です。
④十三(大阪市北区)
ああ、あの映画監督ね…ってそれは
伊丹十三や!
⑤枚方(枚方市)
こんなの超イージーですが、これ実は関西以外の人はなかなか読めないらしい。
実際にあった例を。
あるクイズ番組(ネプリーグだったと思う)で、漢字の読み方当てクイズがありました。
そこで出てきたのが「枚方」。
なんや〜こんなん簡単すぎて小学生の漢字テストにも出てこえへんぞwww
とテレビを見ながら笑っていたのですが、次の瞬間、唖然とすることに。
全員が全員、「まいかた!」「まいほう!」と読んでいたのです。
ただ一人、石田純一氏だけが、
「○○かただよ…orz」
と正解を述べ、
「お前ら、こんな簡単な地名すら読めないのかよ…」
と、完全に人を馬鹿にしたようなまなざしだったのが非常に印象的でした。
レベルⅡ:難易度★★
難読地名のラジオ体操第二です。
①喜連瓜破(大阪市平野区)
大阪難読地名選の常連で、「喜連」「瓜破」という二つの難読地名が合体した駅名。ドラゴンボールの「ゴテンクス」のような感じです。地下鉄谷町線には、こんな「ゴテンクス的駅名」が並び、部外者を当惑させています。
その谷町線に「喜連瓜破」行きの電車があります。
大阪でサラリーマンをやってた頃、某駅で標準語を話す女子二人連れが谷町線のホームでワイワイ駄弁っていました。
そして行先表示に「喜連瓜破」が出現した時、二人は一気にテンパることに。
こ、これ、何て読むの?
き、きれんうりやぶり?やだわかんなーい
相当パニックになっていた様子。冷静だったならば案内放送が聞こえているはずだから…構内放送で「読み方」連呼してるやん(笑
②道修町(大阪市中央区)
大阪のど真ん中にある地名。江戸時代から薬問屋が並ぶ町で、タケダ・シオノギ・小林製薬など、誰もが知ってる製薬会社はほとんどこの町が発祥です。そうじゃない大阪発祥の製薬会社は、たぶんロート製薬くらいじゃないですかね!?
現在でも、中小製薬会社や薬品、化学関係の問屋・商社が軒を並べ、大手製薬会社も名義上の本社を置いていたりします。
③毛穴(堺市西区)
私が育った場所の隣の隣の隣町です。それがどないしたんやって?
ここにある「毛穴なかよし橋」というバス停が、
変な名前www
とバス(停)マニアの間で一時期騒然となったことがあるそうな。たぶん「けあな」って読んだんやろな。
④信太(和泉市)
自衛隊の駐屯地と有名なウフフがあります。ミリタリー関連好きと、デヘヘがお好きな方なら余裕で答えられるでしょ(笑
両者で知る人ぞ知る地になってしまいましたが、そもそもは陰陽師の安倍晴明ゆかりの地(葛葉伝説)で、それにまつわる神社や池が現存しています。映画『陰陽師』が上演された頃、ここに参拝客や観光客が殺到しました。それもほどんと女性が。また、『枕草子』にも出てくるそうな。
ちなみに、関西ではきつねうどんを粋に「信太(うどん)」と言ったり書いたりする習慣がありますが、これはこの信太の安倍晴明伝説(文楽のお題)から。
⑤別府(摂津市)
あそこの温泉、めっちゃええよな~、ってそれ別府(べっぷ)や!
ちなみに、兵庫県加西市にも同じ読みの場所があります
レベルⅢ:難易度★★★
とりあえず、ここで準備体操終わり。ここからが本題です(マジカヨ
①大豆塚町(堺市北区)
難読というより、え?なんでその漢字読まへんのん!?と意表を突く読み方です。
②呉服町(池田市)
そのまま読んだらネタにも何にもなりまへんで~。
③土生(岸和田市)
はてなブログで同じような記事を書いた際、
「あんたここの隣町に住んでたのに、なんでこれ出せへんかってん!」
と、地元民の知人からTwitter直メールでお叱りを受けました。だって、あまりに身近すぎて難読地名だと思わなかったんだもん(笑)
④二河原邊(南河内郡千早赤阪村)
地名うんぬんより、大阪に村があったことに驚く人の方が多いかも。いや、ホンマにありますから。
⑤栂(堺市南区)
駅名に「・」がつく全国でも超レア駅「栂・美木多」があり、かつてはそこ一帯がこの地名だったのですが、ニュータウン造成で
そんな難しい地名は新しい町にふさわしくない(ドヤ
という役人の勝手で(?)、「小学生でも読める地名」に変わってしまいました。
このパターンは、後述する「踞尾」も同様です。
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