
レトロ感が観光資源になっている門司港界隈。
ここに来る度に、ある建物が気になります。

1954年にできた「栄町銀天街」というアーケードの中にある「平民食堂」。
「大衆向 平民食堂」の文字のインパクトもさることながら、注目すべきはこの玄関。
斜めに架けられたドアの取手に敷き詰められた色鮮やかなタイル。赤線のカフェー建築のような、和風でもなく洋風でもない独特のたたずまいです。
もうこの建物が気になって仕方ない!
私がこの建物をどれだけ気にしているのか。

2011年撮影。

2019年撮影。

2024年撮影。
どんなけ好きやんねんと(笑)
ポスター的に2011年と2019年逆ちゃうのん?と思うかもしれませんが、これで正解です、iPhoneの写真データが間違っていなければ…。

「県」ではなく「縣」というレトロな鑑札。

「暫くの間臨時休業致します」
という張り紙も、2011年からそのまま。
他のブログからの情報によると、平民食堂は明治時代にホテルで修行したシェフが門司の可能性に賭けてオープン。
「ハヤシライス」ならぬ「ハイシライス」が名物だった洋食屋さんで、「平民」という奇抜な名前も、庶民には高嶺の花だった洋食を「平民」でもみんな「平等」に食べられる手頃な値段で…という思いがあったのかもしれない。
それから大正・昭和・平成と代を継いで2003年に閉めてから再び開店することなく、現在に至るそう。えらい長い「臨時休業」ですな。
ところで。
「おおきな のっぽの ふるどけい♬」
という出だしでお馴染みの童謡、「大きな古時計」。
この「平民食堂」を訪れるたびに、なぜかこの歌が脳内で再生されるのです。
なぜかはわかりませんが、私の中の琴線に触れるものがあるのでしょうか。
本編は、この替え歌で締めようと思います。
「いまは もう ひらかない
この おみせ」
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