ドムドムバーガーを食らう!

ドムドムバーガー ブログエッセイ

栄えるものはいつか滅びる。これは時空という大きな大河の流れに生きる世界のことわりですが、ダイエーの滅びっぷりは日本経済史に残る伝説となりました。

かつて小売界の恐竜として君臨したダイエーの勢いのまま店舗数を増やしていた、ダイエーグループのとあるファーストフード店がありました。

 

f:id:casemaestro89:20180518200101j:plain

彼の名は、ドムドムハンバーガー

この名前を聞いた反応は、おそらく二手に分かれると思います。
一つは、

あー!そんなお店あったな!

と膝を打って懐かしむグループ。
もう一つは、

まだあったんや…

とビックリするグループ。
共通点はどちらも本人の中では既に過去の記憶の存在となっていたドムドムバーガーですが、過去の存在なんてとんでもない。実はまだあるのです。
ちなみに、私は前者の後、後者の感情がこみ上げてきました。そういう方も案外多いかもね。

スポンサーリンク

ドムドムバーガー誕生の背景

時は高度経済成長時代真っ只中の昭和40年代の日本。
日本進出の機会を伺っていたマクドナルドは、ダイエーと組んで合弁会社を設立しようとしました。が、資本比率の食い違いからこの業務提携はおじゃんとなりました。
マクドナルドはのちに、日本のファーストフードに将来性を見出した藤田田によって「日本マクドナルド」が設立され展開していくのですが、ダイエーも独自のルートでハンバーガーショップを模索し始めました。こうして「日本初のハンバーガーショップ」ドムドムは誕生しました。
あれ?日本初のハンバーガー店はマクドじゃないのかって?
日本のマクドナルド第一号店は1971年(昭和46)ですが、ドムドムバーガー第一号店は1970年(昭和45)。実はマクドより一年早いのです。
昭和20年代からあったとされる佐世保バーガーは横においておいて、「日本初のハンバーガーショップ」の栄冠は、今でもドムドムが持っています。

かつてのマクドナルドがそうであったように、ドムドムも、

ハンバーガー?なにそれおいしいの?

そんなメリケンの食べ物、売れるわけないじゃん!

という逆風の中のスタートでしたが、ダイエー創業者中内功の先見の明が光る大決断でした。結果的にダイエーを潰した中内でしたが、当時は神の如き決断だったのです。

そもそも、名前はダイエーの経営理念だった「良い品をどんどん安く」から「ドンドン(DON DON)」となるはずでした。
しかし、「どんどん」が既に商標登録されており、仕方なしに「ドムドム(DOM DOM)」となった経緯があります。
ガンダムと宇宙世紀オデッセイを子守歌にして育った私としては、ドムドムとくるとどうしてもモビルスーツのドムが2機いる姿を思い浮かべてしまいますが、そんなことはどうでもいいか。

ドムドムはダイエーの勢いと共にどんどん店舗を増やし、1997年には355店舗、最盛期には全国に400店舗以上存在していたと言います。ピークも意外や意外、バブル時代ではなく1990年代~2000年前半くらいだそうです(byドムドムの中の偉い人)。

マクドナルドの2017年末時点での店舗数は2,884件、2位のモスバーガーが1,353件。ロッテリアが359件なので、最盛期のドムドムは現在のロッテリアに匹敵します。それに比べると、私が見ていたドムドムってけっこうレアなのかもしれない。

 

f:id:casemaestro89:20180529100734j:plain

2021年2月現在の店舗数は、最盛期の10分の1以下の26軒(ドムドムHPより)。数年前よりも5店舗もダウン。
昔はもうええわ!というほどあった大阪でも、京橋のダイエー店内にあった店舗がダイエーごとなくなり現在は5店舗。他は関東・関西に集中しているため、他地方ではほとんど見ることがない絶滅危惧種です。動物だと絶滅危惧種は保護されるのに、ハンバーガー屋は保護されないこの世の理不尽さよ。

2017年ダイエーは、長年手塩に掛けて育てたドムドムを手放し、身売りさせることとなりました。
ドムドム事業に手をあげたのは、ホテル事業などを展開するレンブラントホールディングス(神奈川県厚木市)。そういう意味ではイチからのスタートとなったドムドムですが、減り続ける一方の店舗に2017年末、久しぶりに厚木市に新店がオープンした…のですが、閉店してしまった模様。

ダイエーはブランド消滅確定フラグが立ってしまい消滅5分前の風前の灯…と思ったらイオンの予想外の方針転換にブランド存続となりましたが、里子に出されたドムドムにも頑張って欲しいもの。
本当は食って援護射撃したいものですが、東北にあるのは岩手県の北上に山形市のみ。同じ東北といって食べに行くにはちょっと遠い。というわけで、ドムドムには是非頑張っていただきたいものです。

久しぶりにドムドムバーガーを食らう

ダイエー帝国住民だった私は、当然ドムドムとはご縁が深い。
マクドナルドは、私の近所には存在しませんでした。ダイエー店舗内は当然アウトですが、その周辺にも店舗はなく、もしかしてダイエー帝國領にはマクドを置けなかったのか。
よって、私にとっての身近なハンバーガーはドムドムでした。私達のアラフォー世代にとって、ドムドムは学校帰りに身近に寄って食べることができた、思い出のハンバーガーなのです。

そんな中、とっくに死んだと思っていたドムドムが大阪にまだ残っていることに気づき、次に大阪に行った時は絶対ドムドムを食べてやる!と決意を固めていましたが、ついにその日がやってきました。

 

ドムドムハンバーガー深井店

大阪府内には5店舗あるドムドムハンバーガーですが、今回はその最南端、深井店に向かいました。深井まで行ったのには、ちょっと深い理由があり…いや、この勢いで書いてみたかっただけです。

それにしても、一時は大阪・関西にもうええわというほどあったドムドムも、今や5店だけなのか。盛者必衰の理を感じ戦死した仲間を思うような気持ちになりました。

それはさておき、店は泉北高速鉄道深井駅の構内の一階にあり、深井駅自体が経年劣化で少しくたびれているせいか、あまりファストフード店っぽい感じがしません。
街角にある古い喫茶店のような感じかな!?

 

f:id:casemaestro89:20180531141532j:plain
ドムドムと生き別れの兄弟であるダイエーは、「グルメシティ」に名を変えて駅前にまだ存在しているので、コンビだったと思われるドムドムも古くからあったのかもしれません。
実はここ周辺も、私の中学生時代の縄張りでした。が、深井近辺は縄張りの中でも優先順位が低かったせいか、当時からドムドムがあったかどうか、記憶にはありません。ググって深井にあると知った時も、

「はて?そんなとこにあったっけ?」

というのが正直な感想でした。

 

f:id:casemaestro89:20180517000948j:plain

シンボルマークの象さんマークも健在でした。このマーク、なんだか懐かしいなー。

ちなみに、彼の名前を「ドムぞう」と言います。
Twitterのアカウントもあるので、みんなでフォローしてあげて下さい。

中に入ると、駅前という立地条件の良さもあってか客はそこそこ入っていました。ガラガラだったらちょっとショックだと思っていただけに、この客の入り様は少し嬉しかったりします。

 

f:id:casemaestro89:20180517001009j:plain

2018年5月初旬時点でのメニューは、こんな感じです。
アジフライバーガーやお好み焼きバーガー、厚焼き玉子バーガーなど、他のハンバーガー店にはない個性的なメニューが名を連ねています。ここからも、ドムドム頑張ってるなという意気込みが感じられます。
何年行ってなかったかすら忘れたほど、久しぶりのドムドム訪問。メニューも当然ガラッと変わっていましたが、昔の記憶がほとんど残っていないだけに、「新しいハンバーガー屋」に入ったと思えばそれでOK。
他の人のレビューを見ると、上の3つはかなり美味しいらしいのだけれども、食い物は冒険しない私、無難なバーガーのモーニングセットを頼みました。

 

 

f:id:casemaestro89:20180517001024j:plain

私が注文したのは、 名前が「ビックドム」
ビッグマックをもじったのでしょうが、私の脳内変換器はやはりリック・ドムに変換されてしまいました。おい、ガンダムネタで一つおもしろいことを言ってみろと、挑戦状を叩きつけられたようなネーミングです。
うーん、リックはつかないけれど、食べる前に黒い三連星にジェットストリームアタックをかけられそうです。いっそのこと「ビックドム」を3つ揃えて「黒い三連星セット」。
あ、いやいや、わかる人だけわかってもらえれば結構です(笑

 

f:id:casemaestro89:20180517001045j:plain

中はレタスにジューシーな肉が2枚はさまっており、味はちょっとデミグラスソース風だったかな。
おそらく好き嫌いが分かれる味だと思いますが、私にとってはなかなかのもの。マクドやモスとは全然違うテイストですが、決して高くもないので近くにあったら土日の休みに通ってあげるのに。
残念ながら、小中学生の頃よく食っていたドムドムの味を舌が覚えていなかったのですが、ほのかに懐かしい気もしないでもありませんでした。

ドムドムバーガーは、私にとっては立派な昭和の遺物であり、昭和を容易に連想させる代名詞の一つ。
しかし、今のドムドムは昔とは打って変わった「ネオドムドム」です。

松尾芭蕉の有名な言葉に、「不易流行」という言葉があります。
「不易流行」とは芭蕉が俳句道の中で得た一種の哲学なのです。「不易」はいつまでも変化しない、またしてはいけない本質。「流行」は時代や情勢によって変化すべきもの。そう解釈して良いかと思います。
ドムドムハンバーガーは確かに「昭和」の生き残りであり、「不易」であるべきもの。しかし、それをキープしつつ、中身は時代に合わせるために「平成」ナイズされている。これが「流行」。
ドムドムに芭蕉イズムを見た春の終わりでした。

というか、みんなドムドムに食いに行かへん?

 

コメント

  1. 大阪球場 より:

    BEのぶ様

    同じ世代だと思います。僕の記憶の中にあるハンバーガー初体験は中百舌鳥のダイエーの中のドムドムでした。親の買い物につき合わされた後でした。
    ダブルだったのか、それがうれしくて大きい口を開けてかぶりついた記憶があります。ただ、その日の夜なぜか体調を崩して吐いてしまい、それが運悪くドムドムと結びついて、それからしばらくはドムドム=吐いた が頭の中に居座り、ハンバーガー初体験は文字通り酸っぱい思い出となりました。

    その次にハンバーガーを食べたしたのは、数年後の堺東の銀座通り商店街にあったマクドです。初体験の思い出を克服するのに数年かかったように覚えています。あそこのマクドはかなり前からありますよね。今も頑張っているのでしょうか。

    それはそうと、今は東北に住んでいらっしゃるのですね。
    堺のネタを毎回楽しませてもらっています。

タイトルとURLをコピーしました