神戸市の市街地ど真ん中に残る、先の戦争による機銃掃射の弾痕。
前回は、神戸市立博物館に残る弾痕を紹介しました。
機銃掃射の弾痕は至る所に残っていますが、今回はこんな場所も。
エルメス神戸大丸店に残る弾痕
エルメスと言えば、ブランドものに興味がなくても名前くらいは聞いたことがある名ブランド。その神戸直営ショップが神戸大丸の裏にあります。
![エルメス神戸大丸店旧居留地38番館に残る機銃掃射の痕](https://yonezawakoji.com/wp-content/uploads/2023/12/IMG_1246-1024x667.jpg)
この建物、元々は「旧居留地38番地」と呼ばれた建物で、1929年(昭和4)にアメリカのシティバンク神戸支店として建てられました。
正面の4本のイオニア式円柱を持つ、地上3階、地下1階のアメリカン・ルネサンス様式です。
設計は、数々の関西の近代建築を手がけたあのヴォーリス建築事務所。実際の設計は同じアメリカ人のW.E.ハインズが担当したと記録にあります1。
戦後は様々なテナントに使われた後、空き家だった2013年にエルメスとして開店したという経緯です。
そんなブランドショップの近代建築にも、よく見ると戦争の遺構が残されているのです。
![神戸エルメス機銃掃射の銃痕跡](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/c/casemaestro89/20190507/20190507182011.jpg)
他の建物と比べて発見難易度は非常に高め、よほど意識しないと気づかないですが、弾痕がわかりますか?
![神戸エルメス大丸機銃掃射](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/c/casemaestro89/20190507/20190507182202.jpg)
弾痕の部分が後で違う色のセメントで埋められた跡がよくわかるアングルです。
![神戸元町エルメス機銃掃射の痕](https://yonezawakoji.com/wp-content/uploads/2020/06/エルメス機銃掃射の痕.jpg)
他の建物と比べてエルメスがわかりにくい理由は、銃痕の大きさが他より小さいから。他の建物を見た後にここを見ると、小さくてよーく目を凝らさないとわかりにくいのです。戦闘機についてはよくわかりませんが、備え付けの銃の口径が小さいものもあったのではないかと、痕を見るに推測できます。
エルメスショップの前を通る人は多けれど、今日も数千人、いや数万人?が銃痕に気づくことなく通り過ぎていきます。
![](https://yonezawakoji.com/wp-content/uploads/2020/11/th_business_guide_woman_NoLine.png)
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