寂しき幹線の終着駅、神戸駅の歴史

鉄道史
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神戸駅

 

現代のJR神戸駅

神戸駅です。兵庫県神戸市中央区相生町三丁目にある神戸駅です。
そんなくどくど言わんでもわかっとるわい!と思うでしょうが、こう言わないといけない事情があります。
実は、日本に「神戸駅」は現役だけでも3つあり、改称されたり廃駅になったものを入れると10以上にもなります。それだけ「神戸」という名前は全国区なのです。もっとも、現役は「こうべ」「かんべ」「こうど」と読み方がすべて違うのですが。日本語はムズカシイネ。

駅のシンボルの駅舎は何度かリフォームされているものの、昭和5年(1930)7月に建てられたもので、「近代化遺産」にも指定されています。
しかし、駅の中は現在は完全リフォームされ、現代的なたたずまいになっています。残念なことに関西の通勤圏の一駅に過ぎませんが、戦前はここが国際的な日本の玄関の一つであり、それだけに貴賓室など豪華な設備が揃っていました。

神戸駅の開業は、日本の文明開化と共に歩んでいます。

日本ではじめて鉄道が通った区間は、明治5年に開通した新橋駅~横浜駅間。これは小学校・・・は言い過ぎか、中学校の社会の授業レベルです。
では、なぜ日本初がこの区間なのか。横浜という、幕末に開港された日本屈指の港と、東京という首都を結ぶ重要な幹線。客を運ぶことも重要ですが、もっと重要なのは貨物輸送です。横浜で陸揚げされた外国や国内の貨物を運ぶ場合、陸送だと人員も時間もかかる。鉄道だと大量の物資を一気に運べるという簡単な理屈です。

一番目はわかった。では二番目は?

え!?と詰まってしまう人が多いと思います。オリンピックでも銀メダリストはほとんど覚えられないのと同じく、二番は覚えられないのです。
正解は神戸~大阪間。これも幕末の開国によって開校した神戸港の玄関口及び貨物輸送のために作られました。神戸駅は、それに合わせて明治7年(1874)5月11日に開業しました。神戸港の開港が1868年なので、その6年後に作られたということになります。よって神戸駅の歴史≒神戸の歴史と言えます。

神戸駅が関東の新橋駅・横浜駅と違うところは、駅の位置が開業当時からほぼ変わっていないこと。「新橋駅」「横浜駅」と言っても、今の新橋駅・横浜駅とは何の関係もない全くの別もの。
歴史好きや鉄道マニアにとっては「何をいまさら偉そうに」な常識ですが、最近は「非鉄」と呼ばれる鉄道に興味ない人は、今の駅と混同している人が案外多いのです。

神戸駅は、神戸150年の歴史を見続けてきた証人でもあります。

 

現在の神戸駅

時代を一気に早送りし、現在の神戸駅のホームを見ていきます。

 

神戸駅ホーム

今は京阪神、いや姫路から滋賀県まで東西に広がるJR西日本の「アーバンネットワーク」の大動脈としての中間駅の一つに過ぎません。

さらに、神戸の繁華街の地位は三ノ宮。長距離バスターミナルや空港へのアクセスも三ノ宮に集約。その地位はもはや不動のものとなっています。ハーバーランドが出来る前は、三ノ宮駅の賑わいとは裏腹に神戸駅は同じ神戸市の駅かと思うほどひっそりとしていました。神戸市民でも、買い物しようとなるとまず三ノ宮が頭に浮かぶと思います。

神戸の歴史を知らないと、

「なんで繁華街は神戸駅じゃなくて三ノ宮駅周辺なの?」

となりますが、それはある意味当たり前の疑問。大阪人の私もそう思っていたから。三ノ宮が神戸の中心なら、三ノ宮駅こそ神戸駅を名乗ればいいのに。

しかし、おかしいなとその疑問を起点に歴史を調べていくと、神戸駅は非常に絶妙な位置に作られているのですが、それはまた後で。

上述したように、現在の神戸駅良くも悪くも今はただの中間駅と化しています。が、非常に重要な場所でもあります。
ホームではなく、下の線路に目を向けてみます。

 

神戸駅山陽本線0キロポスト

線路の横に書かれた「0」のマーク。「オー」ではありません。数字の「ゼロ」です。意識しない限り、神戸駅に行ってもなかなか見つけにくい標識ですが、下の写真の角度で見てみれば一目瞭然。

 

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線路のコンクリの枕木に、何か書かれていますよね。

東海道589K340

山陽0K

山陽は最初”OK”(オッケー)に見え、何がOKなんやろと首をかしげたくなったのですとが、「0」は山陽のゼロです。

神戸駅の下り、明石・姫路方面のホーム端に、もっとわかりやすいものがあります。

 

JR神戸駅、東海道本線と山陽本線の切り替えポスト

これで一目瞭然。
あの「0」は、東京駅から589.340kmの神戸駅が東海道本線の終着駅ですよという目印であり、線路は続くよで山陽本線が始まるという目印でもあったのです。

 

神戸駅、あっち東海道本線こっち山陽本線

駅のホームの東側半分が東海道本線、西側半分が山陽本線。くどいですが、今はただの中間駅と化している上、神戸駅始発や終着の電車もほとんど存在しないため、東海道本線と山陽本線が変わる重点的な駅ということなど忘れられがちです。

神戸駅の忘れられたホーム

神戸駅のホームの構造はこうなっています。

 

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専門的には「島式2面4線ホーム」というのですが、鉄道関係者でもない限り、こんな説明をしてもピンとこないと思うので、ペイントで図を描いてみました。

数字はホーム番号なのですが、何か気づくことはありませんか?

「あれ?1番線は?」

別に忘れていたわけではありません。
神戸駅ホーム構造を正しく書くと、こうなります。

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しかし1番線ホーム、神戸駅を使っている人でもあまり存在感がない、そんなホームあったっけ?的な寂しい扱いになっています。

 

JR神戸駅、1番線ホームへの入り口

普段はこの通り、固く門を閉ざし用事がない限り進入禁止になっています。無駄にピカピカなのがまた虚しい。Wikpedia先生によると平日の朝にちょっとだけ使われるようですが、それ以外に使われることはありません。

 

JR神戸駅1番ホーム

この普段使われない1番線ホームが、神戸駅がキラキラ輝いていた時を物語る現物だったりするのです。

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