一家に一台、いや一人一台乗用車がないと生活に支障が出る地方はさておき、都会では最近「カーシェア」というものが広がっています。
一台の車を利用時間だけシェアし、空き時間に乗ることができるシステムで、すでに駐車場のタイムズやオリックスなどが進出しています。車使いたいけど、持ってると維持費がかかるし、週末しか乗らないし…という人の間では重宝するのではないかと。
また、外国では当たり前のシステムですが、3LDKくらいのマンションを複数人で借りて共同生活をする「ルームシェア」も、若い人を中心に広がっています。
このように、「シェア」という概念が広まりつつありますが、自転車も実はシェアする時代に来ていること、ご存じでしょうか。
レンタサイクル?いえいえ、それとはまた違うのです。
サイクルシェアという概念
サイクルシェアとは何ぞやを定義すると、
「共用の自転車を、使いたい時間に、使いたい場所で、使いたいだけ使える自転車のサービス」
のことで、自転車の貸出拠点(「サイクルポート」「サイクルステーション」などと呼ばれる)に行き、空き自転車があればその場で借りることができます。
しかも、最近始まったサービスなので、スマホアプリを使って簡単に借りることができます。人との対面もないし、身分証明書の提出も必要ありません。
サイクルシェアとレンタサイクルの違い
では、レンタサイクルとサイクルシェアリング、何が違うのか。
最も大きな違いは、「返す場所」。レンタサイクルは、自治体が観光客向けに行っているサービスなど一部例外を除き、自転車は借り場所=返却場所です。また、返却時間も店や駐輪場などが開いている時間に限られています。
しかし、サイクルシェアリングは決められた駐輪場(サイクルポートなどと呼ばれる)にさえ返せば返却場所は自由。時間も一部を除き24時間OK。
まとめると以下のようになります。
・借りる場所イコール返却場所でなければならない
・場所によっては身分証明書が必要
・貸借の時間が決まっている
・使い方などはスタッフが懇切丁寧教えてくれる
・借りるのも返すのも基本は24時間
・スマホがあればすぐ借りられる(逆に言えば要スマホ)
・使い方は…ググれ!(使用方法が書かれたポートも一部存在)
シェアサイクルを行っている会社の一つに、「HELLO CYCLING(ハローサイクリング)」があります。元々はソフトバンクの中の起業プランから始まったそうで、東京を中心に首都圏、京阪神や名古屋などに展開しています。
専用アプリで近くの利用可能な自転車を検索・予約が簡単に行え、返却も専用のスポットで簡単に行えます。
HELLO CYCLINGの主なサイクルスポットはこちらをクリック
しかしながら、サイクルシェアは、借りる・返却するなどの方法が「ググれ」の割には、そのマニュアルが少なかったり、読みにくかったりします。私は初めて借りた場所に、使用方法が書かれたボードがあったからよかったものの、それがなければググるしかない。しかしそれが見つかりにくい…。
なら私が書く!実際の使用者として、これは便利なため今後のためにも書かなければならない。私の手は勝手に動いていました。
ハローサイクルの使用方法
1.レンタル方法
まずは、HELLO CYCLINGのアプリをお持ちのスマホにインストールします。
インストールは、下のリンクからどうぞ。
androidスマホの方はこちら(Google playへ)
まずは、使いたいエリアの空き自転車を選択します。黄色の枠が自転車置き場で、自転車マークが黒色であれば、「空きあり」です。灰色は自転車は空きなしです。
場所を選んだら、貸し出せる自転車と駐輪ができる空きスペースの数が表示されます。
使用したい自転車を選択します。該当の自転車置き場の空き台数分の自転車が表示されますが、私が予約した場所には1台しか使用可能なものがなかったので、表示は1台のみです。
予約する自転車を選びます。
利用料金は、東京の場合は¥70/10分。1時間借りると¥420。2時間だと¥840。また、12時間借りて¥1000のプランもあります。
その他の地域の料金に関しては下のリンクまで。
料金の決済方法を選択します。
支払い方法は、Paypay、クレカ、Yahooウォレットなどを選択できます。私は携帯キャリアでの決済を選びました。
しかし、決済キャリアにau / Softbankがあってもdocomoがない…なんで?と思うことがあります。これは、実はdocomoはドコモバイクシェアという同様の自転車シェアサービスを行っているから。つまり同業他社だから選択肢が存在しない(笑
なので、docomoの方は有無を言わさず決済方法が一つ減少します。あーauでよかった(小声
「予約する」を押すと、「ご予約ありがとうございます」という表示と共に予約が完了します。
予約終了後、アプリには予約した自転車の番号とパスワードが表示され、予約時間から30分以内に使用開始して下さいとの表示が出ます。パスワードは赤矢印の部分に4桁の数字で表示されます。
なお、やっぱ「やっぱ使わない」となったら、使用開始までに予約のキャンセルも可能です。
予約した駐輪場に到着。駐輪場は、場所は悪くないけれども、自転車なせいか目立たないことも多く、ここも気づかずにいったん通り過ぎたほどでした。アプリに表示された駐輪場まで近づいたら、いったん周囲を見渡した方がいいと思います。
また、公営私営の駐輪場の中にあることもあり、常に外から見えるところにあるとは限りません。
左上の電源ボタンを押すと、予約した自転車の番号と、言語選択の画面が表示されます。言語は英語も選択できます。
予約した自転車の番号と「暗証番号or ICカード」という表示が交互に出ますが、予約以降アプリに表示されている4桁の暗証番号を、赤枠内の1〜6までのボタンで入力します。
暗証番号を押して合っていると、「認証OK」という表示が出て、自動的に施錠が解除されます。
認証が完了すると料金換算が始まります。アプリに常に使用料金が書かれているので、10分単位で借りる人はこまめにチェックしておきましょう。
一時駐輪をしたい場合は、ふつうに駐輪しても問題ありません。施錠した後また乗りたい場合は、また暗証番号を入力すれば大丈夫。返却手続きするまで何度でも一時駐輪可能です。一時駐輪して施錠したその時に料金はかかっているのか…そこをチェックし忘れていました。
返却
では、目的を終えて返却するときはどうすれば良いのか。
まずは、アプリで返却(駐輪)可能な駐輪場を探します。
赤枠の「駐輪可能」の部分がゼロでなければ、返却するスペースありということで返却が可能です。また、返す場所が決まっていたら、「返却予約」をしてスペースをあらかじめ確保することもできます。
シェアサイクルがレンタサイクルと大きく違うのはここで、レンタサイクルが借りた場所に返さないといけないのに対し、シェアサイクルは指定のスペースならどこでも返却可ということ。
東京でしか使ったことがありませんが、ハローサイクルは都内ならいくらでも返却場所があります。
返却する駐輪場に着いたら、自転車をスタンドに置き、「HOME」ボタンを押します。すると上の画面が出るので、左の「RETURN」ボタンを押します。
返却する場合は、1を押します。
すると、上記画面になり返却は完了です。いたって簡単です。
しかし、ここで返却時の注意点があります。
上図のように、自転車のスタンドが立ってない状態だと、返却しても次に借りた人が借りる際、面倒くさいことになります。
何が面倒くさいかというと、次の人が所定の手続きを行って使おうとしても、開錠できないのです。いったんスタンドを立ててから暗証番号を入力すれば、難なく使えるのですが、私がこれに陥った時はかなり焦りました。
返却時は必ずスタンドを立てておくこと。これは忘れずに。
実例 私はこういう風に使った!
実際に、私がどう使ったかの実例をひとつ。
以前、洲崎遊廓の記事の下調べのため現地探索を行いました。
洲崎の遊郭跡は、地下鉄木場駅から徒歩でも十分行けるのですが、この時は新幹線の時間が迫っており呑気に歩いている場合ではない。新幹線に乗り遅れたら本末転倒。
そんな時、木場駅前にHELLO CYCLINGのスポットが。私の頭脳が計算を始めました…洲崎は数日前に一通り探索したので、今回はピンポイントで良い。自転車だと歩きより所要時間が3分の1くらいで済むだろう…私の頭の計算機がはじき出しました。よしこれは使わざるべからず。
洲崎界隈を自転車で走り回り、ミッションをさっさとクリア。逃げるように同じサイクルスポットまで戻り、地下鉄に乗車。この間、30分もかからなかったはずです。
こういう風に、自分の置かれた状況に応じて、ピンポイントで気軽に使えるのもサイクルシェアの良いところ。レンタサイクルだと、やれ書類書け、やれ免許書出せと借りる手続きだけで5分10分かかってしまうから。
最後に
HELLO CYCLINGを使ってみて、
2.東京23区内で3人以上で目的地への1km以内スポット移動なら、初乗り¥420のタクシーの方が安い
3.駅前or地下鉄出口の目の前にスポットがあまりない(どうしても数分歩く)
4.3時間お得プランなどがないため、2時間以上の利用だとかなり高くつく(2時間20分以上使用なら、12時間プランの方が安い)
という難点も見つかったものの、1~2人で気軽に街走り(ポタリング)を楽しみたい、A地点からB地点まで移動したいけれども、バスはないしタクシーを頼むまでもない…という時には、自転車を多用する人には重宝すると思います。都内ならサイクルスポットがそこら中にあるので、事実上の「乗り捨て」も可能。
大阪府堺市のように、自治体と組んで普及している地域もあるので、今後楽しみなベンチャーでもあります。今後の発展が楽しみなツールでもあります。
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