3階…そこは修羅の国
3階への入口には「ようこそ修羅の国へ」の看板が。北斗の拳のあの国をパクっ…もとい彷彿とさせるフレーズ、大きなお友達のアドレナリンを大放出させるものがあるに違いない…ある、きっとある、きっとある…って某ホラー映画か。
3階には、1990年代から2000年くらいまで流行った格闘ゲームの宝庫。解説など野暮なものは不要なほどの名作格闘ゲームの目白押しです。
当然、対戦プレイも可能です。というか「修羅の国」はそれがメイン。仲良しどうしがゲームの画面で殴り合い、血で血を洗う冷酷な世界…「修羅」の由来はここにあります。別に北斗の拳をパクっ…おや、こんな夜更けに誰かがドアをノックしている。
ここには、ストリートファイターⅡ、餓狼伝説、バーチャファイターetc…この名前を並べただけで涙袋が今にも弾けそうなおっさんどもが、いっぱいいるに違いない。
そんな熱い熱いゲームたちの中、こんなアッと声をあげたくなる古典ゲームも待ち構えています。
スパルタンX(アイレム)
あの『スパルタンX』です!
しかし、ゲーセンにスパルタンXがあることに違和感を感じる人がいるかもしれません。
これもファミコン版で遊んだ人が多いせいか、ファミコンのゲームじゃなかったの!?と思いがちですが、元はアーケードなのです。写真のとおり1984年にアーケード版が登場していますが、ファミコンカセットにも「C IREM 1984」の文字が。こんなところ、小さなお友達が見ているわけがない。
ファミコン版はかなりやり込んだので、アーケードとは言えそんなに変わらないだろうとプレイしてみたのですが、実はかなり難易度が高めです。敵の出現パターンが違うし動きも速い。ファミコン版はかなりイージーモードに作ってあるのだと。そりゃファミコンは子ども向けだから、難易度も「お子様向け」だったのでしょうね。
しかし、懐かしさは3階のゲーム屈指だと思うこのゲーム、腕に自信のある方は一度プレイをご賞味あれ。
ドルアーガの塔
これも言わずと知れたゲームの古典名作です。昭和59年って、そうかこのゲームはこんなに古かったのかと、いまさらその古さに感銘を受けてしまいます。
実はこのゲーム、ゲーセンでやったことがありません。ファミコンではそれこそテレビにヒビが入るほどやったのですが、私と同世代の人は少なからずそうではないかなと。それどころか、
「『ドルアーガの塔』ってアーケード版なんてあったんや!」
と意外な驚きになっているかもしれません。はい、アーケード版が元祖でファミコン版は移植です。しかし私も人のことは言えません、間近でアーケード版を見たのは初めてだから。
ファミコン版はイヤになるほどやったので、さてゲーセンでもやるか!と筐体の前に座ったものの、我に返ってやめました。
その理由は…やったことがある人なら、この時点でお察し。このゲーム、難易度が超高すぎて攻略本がないとクリアは無理なのです。ドラクエは攻略本なしでクリアできるけれど、ドルアーガの塔は無理無理、絶対無理。やれるものならやってみろ。
60面分のクリアと宝物出現条件を丸暗記できれば話は別ですが、その記憶力と脳細胞分裂を、できれば他の所で使いたい。
ようつべには、ステージすべてのお宝出現条件がプレイ画面で紹介されている素晴らしい動画があるので、次はそれを見ながら、スマホ片手にプレイすることにしましょう。
懐かしすぎて番外編になったゲームたち
ザリガニさんには、あまりに懐かしすぎて「奇」扱いになってしまったゲームたちも存在しています。しかしまあ、よくぞこんなのがこの世に残っていたよな…と感嘆のため息しか出て来ないようなゲームをいくつかご紹介します。
いっき(サン電子)
「いっき」って…もしかしてあの…この名前にドン引きし、過去のトラウマを思い出しコーヒーを噴いた人もいるでしょう。残念ながらその予測は当たりです。
そう、メーカーさえもクソゲーと認めてしまった空前絶後のゲーム、「いっき」アーケード版が33年の眠りを経て今、大阪でよみがえる!!
ゲーム自体も筐体を含めて、よく30年以上も残っていたなと思うほど「国宝級」なのですが、
このゲーム説明まで残っていたとな。それも申し訳なさげに「Sun Electronic Corp.」(サン電子)とメーカー名まで残ってる。こっちの方が国宝級かも。
この「いっき」には、個人的な思い入れがあります。少しだけ私の人生の小咄にお付き合いを。
実は、私が初めて買ったファミコンソフトがこの「いっき」でした。確か1986年の正月前(=1985年12月)に買った記憶があるのですが、Wikipedia先生を覗くと記憶に間違いはなかったようです。
このファミコン版が、このゲームを伝説のクソゲーたらしめている主原因かと思われるのですが、とにかく周囲からの評判はボロカス。
こんなクソゲー買ったお前もクソ!
買い主の人格まで全否定される始末。
しかし、Wikipadia先生を見てビックリ!なんとこのゲーム、100万本弱売れたらしい。クソゲーが100万本も売れる時代、それがバブルという時代だったのです。
「いっき」の傷心冷めやらぬ翌月、お年玉で買ったのが「ボンバーマン(初代)」でした。これも結果から書くと評判はボロカス。あのボンバーマンが酷評!?と驚く人いると思いますが、少なくとも私の周辺ではケチョンケチョンでした。
というか、同時期発売のコナミ「ツインビー」が名作すぎた不運も重なりました。
「ツインビー」を買った友達はモテモテ。私はまたもや全人格否定。あの時どれだけ「ツインビー」を恨んだことか。
しかし、酷評だったこの二つ、方やメーカーの看板ゲームとしてシリーズ化された名作。方や「伝説のクソゲー」として、世代を超えて語り継がれる迷作となりました。30年以上語り継がれているゲームを2回連続でGETした意味では、私の目は狂っていなかったんじゃないかと。
涙に濡れた年末と正月も過ぎ、次こそはと次に買ったゲームが、忘れもしない1986年5月27日、あの「ドラゴンクエスト」(初代)です。
今でこそ、知らんと言おうものなら一般常識を疑われる知名度のドラクエですが、当時は予約もなく近所の玩具店で、
「ドラゴンクエストいっちょ!」
「あいよ!」
豆腐屋で豆腐を買うが如し。
だからブログのPVが伸びないという方も、これで元気を出しましょう。あのドラクエも、最初はこんなんだったのです。
こうして振り返ってみると、やはり私の目はクソではなかった。32年の時を経て自分に自信がつきました(笑)
閑話休題。
なにせメーカーが認めたクソゲー、ファミコン版ではやったけれどゲーセン版は初体験。さてどんなクソっぷりだったのだろうかと、100円はたいて体験してみました。
結果は…やっぱしこれクソゲーやわ(笑
ちなみに、「いっき」を作った名古屋のサン電子という会社は、クソゲーを世に放った呪いで倒産したというウワサがネットで流れていますが、生きています。ちゃんとHPもあるので勝手に殺さないで下さい。
River Patrol (オルカ?)
しかし、「いっき」で驚いてはいけません。
ほほう、新入りかい?と遊郭の顔見世よろしくそのゲームをちょっと覗いてみると…
ナンデスカコレハ!!!
あまりに懐かしすぎて口あんぐり、出てくる言葉が何もありません。筐体も年季が入りすぎていて、ちゃんと動くの?と心配にすらなってくる老兵です。
こちらは「River Patrol(リバーパトロール)」というゲームなのですが、知ってる人います?
私は知っています。家の近くの駄菓子屋にあった記憶があるゲームで、当時6歳か7歳。筐体の前で、私は走馬灯のように己の記憶を振り返ってみたのですが、やはり間違いないと思う…。
そしてこれは1981年製。1981年といえば昭和56年。私6歳か7歳。やはり記憶に間違いはなさそうです。このゲームが現役で稼働しているのは、全国でもここだけとのこと。そりゃそうやろうと思うわ。
「いっき」がシーラカンスなら、このゲームは絶滅したと思われた生物が生きていた状態。クニマスを発見したさかなクンの喜びがわかった気がします。
そして、現在はお蔵入りですが、かつてこんなゲームもありました。
空手道(データイースト)
「対戦 空手道」…このゲームを覚えている人はいるでしょうか。
レトロすぎて血圧上昇不可避。よくこんなゲームがこの世に残っていたなと、神に向かって十字を切りたいほどの骨董品です。懐かしさのあまり涙に濡れて画面が見えません。これはゲーム界の三葉虫か。
ゲーム内容は、空手の修行や試合を通して強くなっていくという、RPGの要素もなくにしもあらずの格闘ゲーム…と言えるのかは個人的にはビミョーですが、少なくとも「カラテカ」(わかる人だけわかればよろしいw)よりかは面白いことは確かです。
ベラボーマン(ナムコ)
ベラボー参上!!
このフレーズに懐かしさを感じる人もいるでしょう。あのベラボーマンもザリガニにはあります。
Namcoの精神が形とな…ではなく、ナムコらしいコミカルで誰でも楽しめるアクションゲームです。知る人ぞ知るゲームですが、知っている人はいるかな?
筐体の説明によると、日本でも数台しか残っていない絶滅危惧種らしく、ワシントン条約により輸出が禁止されております。
「ザリガニ」にある懐ゲーは、何もTVゲームだけではありません。
これ、昭和50年代に町のお菓子屋でよくみかけた記憶があります。しかし、私は絵柄のせいか、数十年間「新幹線ゲーム」という名前で記憶していました。正式名称はこんな名前だったとは。
お金(コイン)を入れてそれをゴールまで転がるゲームだったはずですけど、細かいことはさすがに覚えていません。
ザリガニ秘話
ここまでザリガニさんにある数々の登録有形文化財もの…いや、世界遺産級ゲームの数々を紹介してきました。
しかし、こう思った方もいるのではないでしょうか。
そもそも、なんで名前が「ザリガニ」なん?
よく考えると、ゲーセンの名前に「ザリガニ」って奇妙な響きがします。
これにはある話があります。それは、何故レトロゲーセンを作ったのかの根本にも通じる秘話なのです。
ザリガニのオーナーのお父さんは、ゲーム筐体を自分で購入するほどのゲーム好きだったそうです。私も、ゲーム筐体こそ夢に終わったものの、ファミコンをなかなか買ってくれない親に反旗を翻し、
ファミコン買ってくれるまでは家に帰らん!(怒
と祖母を人質に…ではなく家に立てこもったほどのゲーム好きだったので、ある意味同類だったかもしれません。
そんなお父さんは、早くに亡くなってしまったそうです。そんなお父さんの「夢」を叶えよう、店舗をレトロゲームで埋めよう、そんな思いから出発したのがこのお店。
「ザリガニ」という名前も、お父さんが子どもの頃にザリガニ釣りが好きだったことからだったりします。このお店は天国にいるお父さんへの「プレゼント」。それをこの世の皆さんと分け合ってみんなで楽しもう…そんなコンセプトがある…と勝手に思っています。
おわりに
レトロなゲームは、今や家庭用ゲーム機で「完全復刻版」が発売されているものや、スマホアプリでプレイできるものも多くなっています。かつての名作ゲームが電気代のみでプレイできる「完全復刻版」は、それはそれで懐かしくも面白い。
が、アーケードゲームの醍醐味は、やはりあの筐体とにらめっこしながらプレイすること。懐かしさ補正も大幅プラスされます。
アラフォー以上の方、子供の時のひそかな夢だった、
「筐体の上に100円玉を山積みして、お腹いっぱいゲームに浸る」
を、ここ「ザリガニ」で叶えてみませんか?
もしくは、物心ついた子供を連れて、
「お父さんがお前くらいの頃、このゲームでよく遊んだんだよ」
と親子で80~90’sゲームを満喫してみませんか?
我々がどこかへ置き忘れた童心と、時間も忘れて楽しんだあのゲームを取り戻しに…。
「ザリガニ」の営業時間などはこちら!
レトロゲーセンはこちらも!
コメント
女社長のザリガニさんですねえ。みさき公園が閉園の時はだいぶ持ち出されました。あのVS機も隠してあるはずです。