ふと適当にググっていると、「ベルクマンの法則」という、少し聞き慣れないものにぶつかりました。
ベルクマンの法則とは一体なにか。
同じ種類の生物であれば、寒い地域にすんでいるほうが体が大きい
平たく言ってしまえばこういうことです。
これは、体温の維持にかかわる体長(身長)と表面積の関係とされています。
恒温動物は、体温を調節するために体の表面から熱を放出し、体温を下げます。
しかし、寒い地域では、できるだけ体温が下がるのを防がなければいけないので、熱の放出を抑えなければいけません。
発熱量は身体の体積(立法メートル)に比例し、熱を失う速度は表面積(平方メートル)に比例するとされています。
よって、体積が広い方がより熱を産み、表面積が狭い方が熱を放出する働きをより抑えることができます。つまり、「寒い地域で生きるには体の大きいほうが適している」ということになるのです。
欧米人は、若い時は目が覚めるような美人でも、年をとると脂肪がつき目が冷めるような姿になっていくことが多いですね。
これは、欧米人はそもそも人間の寒冷地仕様なので、遺伝子スイッチがONになると脂肪を貯め始め、体積を増やし始める(=太る)のではないかなーと、勝手に思ったりします。
なお、ベルクマンの法則はあくまで「恒温動物」である鳥類と哺乳類にのみ適用の法則です。「変温動物」である爬虫類や両生類などは適用外です。もちろん、恐竜も。
昆虫や植物、は虫類になると、逆に熱い地方ほど大きくなる傾向があるそうで、それを冗談で「逆ベルクマンの法則」と呼んでいる人もいます。
ベルクマンの法則の例
クマ(Bear)
ベルクマンの法則の例としてよく出されるのが、
クマです。
クマは、日本でもヒグマとツキノワグマがいるのでお馴染みと言えばお馴染みですが、北極のホッキョクグマ(白クマ)から熱帯雨林のマレーグマまで、種類は少ないものの生息場所によって個体の個性が強い動物です。香香で盛り上がったパンダも、あれクマですからね。
「寒ければ寒いほど体長が大きくなる」というベルクマンの法則に、すっぽりとあてはまります。くどいようですが、パンダもれっきとしたクマ科のクマです。
表にしてまとめると、パンダはクマにしては全然小さい方だということがわかります。ツキノワグマも平均値を取るとそんなに大きくない。ただし、ホッキョクグマと北海道のヒグマはクマどころか、哺乳類全体でもかなりの大型。森の中で突然こんなんに出くわしたら、そりゃ怖いわな。
ちなみに、調べてみて驚いたのですが、クマって動物学的には…犬の遠縁なんですね。
サル(Monkey)
ベルクマンの法則はサルにも当てはまります。
ニホンザルはサル(オナガザル科マカク属)の中では大型な方で、熱帯に向かうにつれて小さくなっていき、カニクイザルになると3分の2以下の大きさとなります。
シカ(Dear)
その他に、シカもベルクマンの法則にすっぽりあてはまります。
北欧などの北極圏のトナカイは体長2m以上がゴロゴロおり、北海道のエゾシカも公式スペックは180cm、体重130kgくらいなものの(っても屋久島のシカの体重3倍以上)、
いやいや、軽自動車くらいの大きさのも全然いる!
と北海道出身の人が申しておりました。
ベルクマンの法則はわかった。ここである疑問が浮かびました。このベルクマンの法則、果たして人間に適用されるのだろうか?哺乳類なんだから適用されないと、ベルクマンの法則は不成立だよね?と。
その答えは…次のページへ。