京都にあった書店 典誠堂書店

典誠堂書店京都 ブログエッセイ

先日、Twitterである画像をアップしました。

1972京都の本屋典誠堂書店

昭和47年(1972)、アメリカ人旅行者が撮影した京都の一風景です。何が珍しかったのか、一外国人が本屋を撮影し、ガイジンが珍しかった時期もあったか、店主さんらしき人が仁王立ちでカメラをガン見しています。

私は、単なる古き良き昭和の風景としてアップしました。が、予期せずバズってしまい様々な反応が寄せられました。同じ写真を見ているのに、視点が人によって真正面からだったり側面からだったり、自分が気づかされない視点に気づいたりして興味深い。

良くも悪くもみんな言いたい放題。そんな玉石混交の反応から、一塊の宝石だけを掬い上げる。それがTwitterの醍醐味であります。うちの垢は競馬垢じゃないのに、「競馬ブック」に反応した人が多かったのがまた面白い。

1枚の中に非常に情報量が多い写真なのですが、

「この店探して」

なんて一言も書いていないのに(探したけど見つからなかったとは書いたけど…)、出るわ出るわ「ここではないのか」情報が。中でも

店名と電話番号が書かれていることが、かなり大きな情報でした。


ここまで情報があつまるのがTwitter。これらのInformationを、「情報知」というIntelligenceに仕上げる作業がありますが、写真の場所はだいたい京都市左京区で間違いなさそうです。
そして、とどめの情報が舞い込んできました。

ブログを覗いてみると、確かにこんな文が。

典誠堂書店京都
(出典:http://studioenju.dreamlog.jp/?p=280)

 

のちに、こんな情報も。

聞いてもないのにここまで情報が集まる、インターネットのすごさ、そしてある種の怖さを思い知ることになりました。

 

ここまでの縁、ちょっと本屋があったところを覗いてみるか。どうせ京都なんて隣やし。

 

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東天王町


典誠堂書店があった京都市左京区岡崎東天王町は、ウサギが神の使いとされる岡崎神社の門前町です。狛犬ならぬ「狛ウサギ」やウサギおみくじなど、ウサギもふもふ派にはここで死んでも一片の悔いなしというほどの「うさぎ神社」、うさぎかわいいと女子の間で評判になっているそうです。歩いて行ける距離にかの銀閣寺や「哲学の道」があり、京都駅からはその銀閣寺行きバス一本で向かうことができます。

 

岡崎東天王町典誠堂書店

目的の「典誠堂書店」の跡は、あっけなく見つかりました。

 

岡崎東天王町典誠堂書店2

現在は「岡崎自動車」という自動車修理の会社になっています。

(会社HP:http://kyoto-okazakij.main.jp/

この「ノッポのビル」の正面だけを見ると小さな自動車のお店かと思うのですが、ビルの奥というか裏にまわると三菱自動車のマークがデカデカと自己主張している立派なビルになっています。最初は三菱自動車京都支店かと思いました。

 

ついでに、東天王町の周囲を散歩してみました。

東天王町は良くも悪くも静かな住宅街になっているのですが、その中で私の目に止まったある建物がありました。

京都シナゴーグ

英語で書かれた看板が一つ、その上にある9つの突起物、そして下にはアルファベットでも漢字でもない、未知な人は未知の文字が。一体これは何なんだ…私の好奇心のバロメーターはアップし続けるばかりです。

 

京都シナゴーグユダヤ教

近くで見てみるとハッとしました。ここはシナゴーグかと。

シナゴーグとはユダヤ教の礼拝堂のことで、こちらのHPによるとここは2016年に作られた京都唯一のユダヤ教の拠点なんだそう。ユダヤ教なので「未知の文字」はユダヤ人が使うヘブライ文字、当然、何が書かれているのかなんて、さっぱりわかりません。

“CHABAD”(シャバド)とはユダヤ教の安息日のこと。ユダヤ教の安息日(休日)は、「金曜の日没から土曜の日没」までなのですが、その間一切の労働をしてはいけません。料理は日没までに作り置き、「オースドックス」というガチ中のガチなユダヤ人は、タバコを吸うときのライターに火を付ける、スマホをいじる、いや、ググることすら「労働」として厳禁です。そして今、「OK,Google、音楽かけて」が安息日の「労働」にあたるのか、ユダヤ人社会で議論されている…という話を小耳に挟んだことがあります。

ちなみに、「土曜日」はイタリア語でsabato、スペイン語でsabadoですが、これはCHABADから来ています。綴りも発音も似ているものの、英語のSaturdayは関係ありません。

 

メノーラー

上の「突起物」は「メノーラー」といい、一言で説明すればろうそくの燭台。偶像崇拝が禁止のユダヤ教ではこれがシンボルとなり、イスラエルの国章にもメノーラーが描かれています。

しかし、私はこれを見た時、少しの違和感を感じました。

「あれ?確かメノーラーって7本じゃなかったっけ?」

調べてみると、京都シナゴーグのこれは、歯~抜き~や~ではなく「ハヌッキーヤー」というメノーラーの一種だそう。

シナゴーグ自体は、海外ではよく見る施設ではあります。私も、シナゴーグ自体には驚きはりません。が、京都の住宅街でまさかシナゴーグと出会おうとは。想像もしなかった出会いに驚きです。

さらに、ここは岡崎神社と目と鼻の先にあるのですが、起源を異とする全く違う宗教が近くで共存する。ヘタな外国なら宗教戦争が起こってます。しかし、こうして共存できるのも、京都の、そして日本の和の精神、懐の深さによるものに思えてなりません。

 

こうして周囲を探してはみましたが、ここに「典誠堂」があったという残滓は、まったく残っていませんでした。48年前の写真だけが、そこにかつて本屋があったことを証明する遺影となってネット上に立っています。

たった一枚の写真…そこから50年後にインターネットであれこれ語られるとは、書店のご主人も草葉の陰で苦笑いしていることでしょう。

 

おまけ-岡崎のおいしいカレーうどんの店

ここで終わってしまうのもなんなので、おまけを。

京都日の出うどん住所

岡崎東天王町の隣、南禅寺北ノ坊町に「日の出うどん」というお店があります。地図で見ただけでは何の変哲もないふつうのうどん屋に思えるのですが、ここのカレーうどんがチョー美味だとネットで評判とのこと。カレーうどんにインドカレー…カレー類にはちょっと目がない私、岡崎東天王町散策に昼飯タイムを絡ませて行って参りました。

 

日の出うどん1

コロナの影響で3月の観光シーズンながらも人の足がまばらな京都、いつもは行列が出来て1時間待ちなんて当たり前…という情報があり、ちょっと早めに向かいました。店の前には行列なし、よしこれですぐ食える!

…中に入ってみるとほぼ満席でした。まあ外で待つよりかはマシか。

やはりカレーうどんが名物か、オーダー待ちしながら周囲が何を食べているのかを横目でチラリと見てみると、ほとんどの人がカレーうどん。

しかし、ここにはカレーうどんにも何種類かあり、肉入り、鶏入り、きざみあげ入りなど何を食べて良いのかわからない。迷っているあなたにぴったりのカレーが「特カレーうどん(¥1100)」。全部(あげ・肉・ネギ)入りのカレーで私はこれを注文してみました。

それと忘れちゃいけないのが白飯。私、大阪ではおなじみの「力餅」でカレーうどんと赤飯のうまさを知ったせいか、カレーうどんには赤飯というコラボが大好き。カレーうどん&赤飯の相性の良さを知っている人は、果たして全国にどれだけいるのだろうか。しかし、残念ながらここには赤飯がなかった模様…。

昼飯時ということもあって、時間は少しかかりましたが、念願のカレーうどん到着!

味は出汁が効いて美味い。コクがあって味が深い。うどんは関西風でコシはそれほどでもなく、その代わりスープ(出汁)で勝負という感じ。

ところで、大阪のカレーうどんはほのかに甘さもあるのが特徴です。しかし、京都のここのは甘くない。少し辛みすらあるのですが、その分肉に甘みがあってそれで相殺されるような感じになっています。甘いの大好きの大阪人もこれで満足。九条ネギもシャキシャキして味がしっかりしており、こりゃ並ぶはずやわと。

ちなみに、ここは至ってふつうのうどん屋なので、ふつうのうどんや、親子丼や天丼などの丼物もあります。

ここはホントにふつうのうどん屋なのですが(しつこい)、カレーうどんは絶品でした。銀閣寺→哲学の道と観光した後の休憩+食事にはちょうど良いロケーションでもあるので、コロナが明けて大手を振って観光できるようになったら、是非どうぞ。

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